偕行社跡

【現状: 東京理科大学】

偕行社跡周辺の現状

偕行社(かいこうしゃ)は、陸軍将校の修養・親睦や軍事研究等を目的とした団体で、海軍の水交社に相当する。東京九段をはじめ各地方にも支部が設置された。

偕行社は、明治10年の創立で、同21年の「月曜会事件」以降は陸軍内唯一の公認将校団体となった。その後終戦まで続き、その間、機関誌である「偕行社記事」を発行した。

九段の偕行社跡は、現在、都市基盤整備公団(旧住宅都市整備公団)になっている。靖國神社の鳥居の正面にある。

なお、偕行社は、昭和27年に、元将校や遺族間の親睦会的な組織として再発足している。

戦前の偕行社の様子で、靖國神社側から見たところ。 

建物の右側に立っている塔は高燈籠(通称、常燈明台)で、明治4年東京招魂社(靖國神社の前身)に祭られた霊のために建立された。 建立当初は、写真のように偕行社の構内にあった。この明かりは品川沖に出入りする船舶だけでなく、房総方面からも見ることができたという。

偕行社の建物は跡形なく消えてしまったが、高灯籠は現存している。昭和5年の道路改修に伴い現在地(田安門北側の歩道橋脇)に移転されたため、焼失や取り壊しの難を逃れたものである。 戦後老朽化が進行していたが、平成元年に復元工事が行われ良好な状態に戻った。

(平成10年12月20日、13年11月3日更新)