【平成12年12月26日更新、同16年5月5日再更新、同19年4月17日再々更新】

帝國陸軍

警察予備隊

保安隊・陸上自衛隊

米陸軍

歩 兵 一般部 普通科 普通科 歩 兵
砲 兵 一般部 特科 特科 (野戦特科) 野戦砲兵
(高射特科) 防空砲兵
騎 兵   機甲科 機 甲
工 兵 技術部 施設科 施設科 工兵科
輜重兵 技術部 輸送科 輸送科 輸送科
航空兵   航空科 航空科
憲 兵 行政部 保安科 警務科 憲兵科
衛生部 技術部 衛生科 衛生科 衛生科
歯 科
薬剤科 衛生勤務科
衛生特技科
獣医部 獣医科
看護科
経理部 行政部 会計科 会計科 会計科
技術部 補給科 需品科 需品科
法務部 行政部 法務科   法務科
軍楽部   音楽科 軍楽科
技術科 技術部 武器科 武器科 武器科
  技術部 通信科 通信科 通信科
  技術部 化学科 化学科 化学科
      情報科
  行政部 総務科   総務科
      軍 僧

★ 補足説明 ★

※ 旧陸軍・米陸軍では「兵科」と呼ぶが、陸上自衛隊では「職種」と呼んでいる。また、その職種名称も不自然なものがいくつかあるが、これらは、自衛隊が国内法上は「軍」ではないことに起因する。

※ 旧陸軍の兵科区分は、憲兵を除いて昭和15年に廃止されている。技術科は昭和15年の新設で、兵技と航技の2つの職域があった。

※ 警察予備隊の職種にはその上に「部」の区分があり、技術部・行政部の者は一般部の人員に対する指揮権が制限されていたようである。 これはいわば、旧軍で廃止された相当官の制度をわざわざ復活させたものであり(復活の意図は不明)、評判が悪かったため保安隊改編時に撤廃された。

※ 陸上自衛隊の「特科(とっか)」は、「保安官の職種に関する訓令」上は単一の職種であるが、実際には「野戦特科」と「高射特科」とに分かれており、事実上全く別個の職種である。

※ 旧陸軍の技術科はその規模・所掌が狭かったので、厳密には陸上自衛隊の「武器科」と同等とは言えない。

※ 旧陸軍に通信兵がないのは、直接的には軍の創設時にはまだ通信がほとんど発達していなかったためであると考えられる。その後、軍組織の細分化によって、兵科ごとの編成・運用よりも兵種(自衛隊で言うところの職域)単位の編成・運用が主となってきたため、兵科の新設は意味が無く、逆に兵科の廃止に至り、遂に通信兵という兵科が新設されなかったものである。

※ 陸自に法務科がないのは、日本には軍事刑法が無く、自衛隊には軍法会議が無いためである。 陸自にも「法務」はあるが、これは職種ではなく「職域」であり、捜査権や裁判権は勿論無い。 法務関係の職にある自衛官は、職種としては普通科もいれば通信科もいるということになる。業務的には、法律支援や法律相談、賠償、補償、訴訟等を担当している。 なお、警察予備隊時代には独立した法務科があったが、機能的には陸自の法務職域と同じであり、その重要性及び所属人員の少なさを考慮して保安隊改編時に廃止された。

※ 陸自の化学科は、敵のNBC(核・生物・化学)攻撃から部隊を防護することを主な目的とした職種であり、化学科部隊自らは化学武器は一切保有・使用しない。 かつて東京で発生した「地下鉄サリン事件」の際の化学防護隊の活躍は有名である。

※ 米陸軍の「軍僧(英語名:chaplains)」とは、俗に言う従軍牧師のことで、更にキリスト教とユダヤ教の2種類に分かれており兵科徽章も異なる。

(平成12年12月20日初掲)

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