サイパン島の中心部であるガラパンにある「砂糖王公園」はかつて「彩帆神社(さいぱんじんじゃ)」の境内でした。

この公園内に、サイパン島内で戦前から唯一残る銅像があります。 この銅像は、日本統治時代に南洋興発株式会社を設立し、サトウキビ栽培と製糖をおこなってサイパン島の一大産業に育てた松江春次氏のものです。

なお、この公園のミドルロードを挟んだ反対側には日本統治時代の病院建物が残っており、「北マリアナ博物館」として使用されています。

銅像を右側面から見たところです。
松江氏の銅像は、戦後も引き倒されることなく残されました。

しかし、米兵によって銃弾が数カ所撃ち込まれており、弾痕が残っています。(左頸部に2発、左ポケットに1発)

台座の銘板
平成15年に設置された顕彰プレートです。
彩帆神社跡の現状です 戦災で建物は焼け落ちて荒れていたそうですが昭和60年に「サイパン香取神社」として再建されました。
説明板
朽ちて倒れた彩帆神社社標です。 平成16年6月頃に自然倒壊したとのこと。 戦前から残る貴重な遺構ですが、再建の目途は立っていません。
献灯の台座。 上部は失われていますが、これも戦前からあるものです。
同上裏側
 
参道跡 戦前は神社のお祭の際には、参道沿いに提灯が下げられ、夜店が建ち並んで大変にぎやかだったそうです
戦後建てられた、「彩帆香取神社」の社標です。 写真中央の通路も戦後のもの。
再建された鳥居。 奥の建物は一応「拝殿」のようです。
「拝殿」らしき建物の内部。 何もない、倉庫の様な状況です。
「拝殿」の奥にある古い祠とコンクリート製の階段。

「香取山」と名付けられた少し小高い丘にあります 

この祠は戦前のものということですが内部の御神体は失われたままで今も無いとのこと また、位置も戦前は山頂部にあったそうですが今は中腹に移されています
この蒸気機関車は、松江氏が設立した南洋興発株式会社が使用していたものです。

戦前はサトウキビや燃料などを輸送するために、北はイレスタ・マイゴ・ファハン(バードアイランド)から南はマジシャン湾まで軽便鉄道が敷設されていました

南洋庁サイパン実業学校の建物。 公園の片隅にあります。
同上
南洋庁サイパン実業学校記念碑
記念碑の裏側

(平成16年10月24日初掲)